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憶忘れられない

イギリスの紳士

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イギリスの紳士


梅雨入りを待ってましたと紫陽花が大きな葉上に、無数の花びらにコロコロと音を奏でるように水滴をまとうさまは路地や家々の前にしばらく足を止め、一つ一つ愛でたくなる。
 
6月生まれの母は何故か雨が嫌いな人だった dba
春雨も梅雨も「よーさけないから、すかん」の一言で終わる。
そのくせ庭の紫陽花を夏の決まった日に切り、ドライフラワーにする。小銭に困らぬようにと子どもに、近所の人へおすそ分けをした。
11歳年上の父は写真写りが上手くて10歳は若く見える。
何故か写真写りの悪い母は父と並ぶと年上に見られて機嫌が悪い。
そんな父は雨男、旅行や行事がある日は決まって雨になる。
冠婚葬祭以外は2人で出掛けることはほとんどなかった。
金婚式を半年後に控えた年の春、伊勢、奈良、京都の旅に招かれて、やっと母は重い腰を上げ2人で旅立った冰毛巾
「お寺巡りに階段が多かろー。お父さんと2人しっかり手をつないで歩いたんよ。転ぶといけんから」と、夫婦岩を背景に姉さん女房と若作りの父が写真に納まっている。夏休みに笑いの種を蒔いて私たちを喜ばせてくれた。
その年の秋、金婚式を迎えることなく父が79歳で逝った。
雨嫌いな母のために最後の旅と父との別れの日は天の計らいか晴天だった。
両親のDNAを受け継いだ兄は、イギリスの紳士とは姿形は程遠いが、バッグにいつも折りたたみ傘を入れている natural stone jewelry
雨嫌いの母がそうさせるのか、雨男の血かどちらに転んでも良い状態といえる。家族も同様で、雲行きが怪しくなっても動じることはない。
雨が降れば雨の中を、面白がるのが私のスタイル。
「お母さん、雨と紫陽花、2人のようで最高の組み合わせだったと思うけど……」
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